真咲輝司 Rehabiri knock

大学病院で勤務する理学療法士

地面の着き方でマラソンは速くなる!? ランニングの極意

 

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タイムを伸ばすにはどうすれば良いか。世界中のスポーツ医学で研究が進んでいる。

近年では体力の指標(酸素摂取量)よりも、ランニングエコノミーをあげることがタイムをあげることがより重要だと言われている。

 

ランニングエコノミーについてはこちら↓

www.rehabiliknock.com

 

・これまでランニングエコノミーは遺伝的に備わった能力だと思われていた。それが近年はトレーニングですることで改善することが明らかとなっている。

ランニングエコノミーは様々な要因で変化する。その1つがランニングフォームだ。

 

 

まずランニングフォームはこのような周期で分けることができる。

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中で注目すべきポイントが、足趾離地期。つまり足が地面から離れるポイントのことだ。どうやって足が離れるかによって、タイムが変化するのだ。

 

そう提言したのは、イギリスのエクセター大学のIsabelである。

今回はIsabelの論文をもとに速くなるフォームについて考えてみよう。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

Isabelの研究

Isabelらは20-30代のランニング初心者を集めて10週間の間ランニングトレーニングを行った。その結果、ランナーたちはランニングエコノミーの向上に成功。グラフに示すように、同じスピードのランニングを少ないエネルギーで走ることができるようになった。

つまり言い換えると、酸素の消費量を抑えて、無駄に体力を消費しない方法を身につけたのだ。

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筆者編集


 ではここで、どうしてランナーたちはランニングエコノミーが改善したのか気になるところである。足が地面から離れるポイントに着目するとIsabelは面白い変化に気づいたのだ。

 

 

足が地面から離れるとき、トレーニング前は膝と足首が伸びきっていたのに、

10週間のトレーニングをした後、ランナーたちの膝と足首の角度に変化があったのだ。

 

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 左の図がトレーニング前で右の図が10週後である。この図を見ると、膝と足首が少し角度が減っている。つまり足首ランニングエコノミーが改善したランナーたちの膝と足首は少し屈曲するように、地面から足を離していたのだ。この変化がランニングエコノミーの改善に寄与しているとIsabelは考えた。

 

てっきり、足先に力を入れて離す直前に、地面を蹴った方が、勢いづいて速く走れそうに思えるのだが。実際はそうではなかった。

 

ではなぜ、この変化が改善に寄与したのだろうか。

 

Isabelは、膝と足首を少し曲げることでランニングエコノミーが改善した理由に次の2つを挙げている。1つ目は、膝と足首の動きが減り、消費エネルギーが減る。2つ目に推進力が向上する。というのだ。

  

ただそんな簡単にフォームを変えるだけで、タイムが速くなるのだろうか。

実際、プロのマラソン選手でも、フォームは人それぞれ異なるし、個人個人にあったフォームが存在するはずである。もっとも、蹴り上げながら走った方が速く走れると思う人だっているかもしれない。

 

しかし、今回Isabelが辿り着いた結果は、他の研究者でも同様の見解が述べられている。

つまり、膝と足首を少し曲げておくことは多くの研究者で強く支持されている数少ない見解なのである。(参考文献をご参考ください)

 

ただ練習をしても速くはならない。フォームを意識して頭を使いながら練習することでマラソンは早くなる。マラソンタイムを速くしたい方の参考になれば幸いだ。

 

参考文献

Moore IS, Jones AM, Dixon SJ. The pursuit of improved run-ning performance: can changes in cushioning and somatosen- sory feedback influence running economy and injury risk? Footwear Sci. 2014;6:1–11.

Hausswirth C, Bigard AX, Guezennec CY. Relationships between running mechanics and energy cost of running at the end of a triathlon and a marathon. Int J Sports Med. 1997;18:330–9.

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絶対に知っておきたい痩せられる食べ物

食べると痩せられる食べ物があるのはご存知だろうか?

 そう質問すると、ほとんどの人が鼻で笑うだろう。

そんなものがあれば頑張って夕食の白ごはんを抜いたことや、ムダに値段の高い健康グッズを買ったことも全て水の泡になる。そんな食べ物があるなんて信じてたまるか!と。

しかし、そんな痩せられる食べ物が心臓関連の医学論文「Circulation」で発表されたのである。「Circulation」とはアメリカでインパクトファクター2.97を誇っている有名医学雑誌だ。

 

今回はこれをもとにダイエットについて考えてみよう。

 

 

食べなければダイエットはできる。

先に言っておくが食事をとらなければ確実に体重は減る。

摂取量が減れば、当然摂取カロリーが減るのだから。

よく健康番組では炭水化物を抜いたり、油物を控えたり、寝る前の2時間前に食事をとらないようにすると言った例を挙げる。どれも正しい方法である。

しかし、本当にこれらの方法を実施するだけでダイエットが成功したと言えるだろうか。

人は食欲には勝てない生き物である。おそらく体重が減り一時的な達成感を得ると、ダイエットに満足する。またすぐに前の食生活に戻って体重はもとに戻ってしまう。こんな経験をする人は多い。これではダイエットを成功したとは言えない。

 

特に家庭を持つ30代以降の方々にはこの傾向が強いと思われる。年々と低下する基礎代謝、毎日食卓に並ぶ奥様の作ってくれる手料理。

食事制限を行い続けるにはあまりに難しい環境である。奥様の手料理を残そうものなら叱られる、なんていう優しい奥様をお持ちの方もいらっしゃるかもしれない。

結局、食事を制限して行うダイエットは短期間しか続かないのである。

 では、長期的にダイエットを続けることのできる、文字通りダイエット成功の秘訣とはなんだろうか。

 それが序盤にも紹介した、食べて痩せるダイエットなのである。

百聞は一見に如かず。まずは、どのような食べ物なのか見ていこう。

体重に影響する食べ物はこちら!

これは2019年アメリカの3つの論文をまとめたデータで16〜24歳を対象としている。1つの食べ物が4年間でどの程度体重に影響しているかを表している。

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筆者編集

データを見ると真ん中の0が記載されている。これを境に右に伸びているグラフは太りやすい食べ物、左に伸びているグラフは痩せやすい食べ物と言うことである。

 

少しわかりづらいが数値の単位はポンド(Ib)という単位だ。Kg換算すると1ポンドが約0.45kgということになる。つまり一番上のハンバーガーは4年で約2.0kg体重を増やす可能性があるということだ。

 

しかし、本当にこのデータは信頼していいものなのかどうか怪しいと部分はある。

もしかしたらハンバーガーを普段からたくさん食べている人はお酒もたくさん飲んでいるかもしれない。運動を全くしない人かもしれない。であれば体重が増えたのはハンバーガーのせいではなく、お酒や運動不足によるものと考えてもいいだろう。

 

この論文の良い点はこのような因子を数学的に考慮して計算しているところだ。

上の例で言うと普段の飲酒量と運動量が一緒だとすると、ハンバーガーを食べた時にどれくらい体重が増えるのか?と言うことを表している。言い換えるとハンバーガーだけでどれくらい体重が変化するのか?とも表せる。

 

具体的に言うと年齢、BMI、睡眠時間、喫煙の有無、普段の運動量、テレビを観ている時間、飲酒量、果物と野菜の消費量を全て一緒だとしたときに、その食べ物がどれくらい体重の増減に影響するかを表している。

 

なるほどさすが有名雑誌に載るだけのことはある。

 

このデータを今一度よく見ると、プレーンヨーグルトが最も体重を下げやすく、次いで海藻類、木の実類となっている。

 

つまり普段からプレーンヨーグルト、海藻類、木の実を食べることで本当の意味でのダイエットができることが明らかとなったのである。

 

冬の時期はご飯が美味しくてたくさん食べてしまうし、寒くて外で運動をするのもなかなか進まないものである。そんな方はプレーンヨーグルト、海藻類、木の実そして左に伸びているグラフの食べ物をぜひ食べるように心がけてほしい。このブログを最後まで読んでくれた方のダイエットに少しでも寄与すれば幸いである。

 

しかし、このグラフにはいくつかツッコミたいところがある。

例えば、低脂肪牛乳よりも全脂肪牛乳のほうが痩せやすい点、そして鶏肉は皮のあるなしでそんなにもグラフが変わる点などである。

今後はこれらの疑問についても論文データを更新していきたい。

参考文献

Dariush Mozaffarian :Dietary and Policy Priorities for Cardiovascular Disease, Diabetes, and Obesity ;A Comprehensive Review. Volume 133, Issue 2, 12 January 2016, Pages 187-225; Circulation

 

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ランニング中の呼吸苦を減らします!! ランニングエコノミー 心臓・肺 編

これは理学療法士となった自分が世界中の論文を読みまくり、ためになると思ったことだけを伝えていくランナーのためのブログだ。

 

本日の内容は前回に続くランニングエコノミー 心臓・肺編

 

 前回の記事を読んでいない方はこちらを一読いただけるとありがたい。

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 簡単に前回の記事をまとめると酸素を効率的に使う能力のことをランニングエコノミーという。

 

つまりどれだけ少ないエネルギーで走るかが、マラソンおよび中長距離ランナーにとって重要なのだ。

 

呼吸することにもエネルギーが必要で、換気の仕事自体は一般的に酸素消費コスト6-7%を占めると報告されている。(MILIC.1964)

 

 

ランナーたちは走る時に自分の呼吸のリズムを持っているのではないだろうか?

 

①吸って+②吸って+③吐く というような方もいれば、

 

①吸って+②吐く というように、一人一人自分の換気パターンがあるはずだ。

 

 

その呼吸の方法は誰かに習って身につけたものだろうか?

大抵の人が自己流で身につけた呼吸リズムだろう。

 

もしかするとその呼吸リズムを変えるだけでマラソンタイムが大きく変わるかもしれない。

 

 

 

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ランニング中の呼吸苦を減らす 

 

最初に皆さんに質問させて頂く。

 

ランニング中に体内の酸素が減ることと、二酸化炭素が増えること どちらが良くない??

 

 

酸素が減ることの方がだめでしょ!

 

と答えたそこのあなた。今日このブログを読んでいただけて良かった。

実は酸素が少し減ったところでそんな問題にはならない。

 

本当に。

 

その説明をこれからさせて頂く。

 

 

ランニングをすると、次第に息が苦しくなってくる。

一見すると当たり前のことだが、そもそもの話。どうして息が苦しくなってくるのだろうか。

 

体力がないってことだろう!ってそれは全く違う。

 

呼吸苦を感じるメカニズムを知ることで、明日からのランニングの考え方が大きく変わる。

 

 

ランニング中に呼吸苦を呈するメカニズムは4つある。

 

①動脈血酸素分圧(PaO2)の低下

②動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇

③気道の刺激(痰,唾液)

④換気パターンの乱れ

 

この中で特に重要なのが②と④だ。ここについては後ほど説明させていただく。

 

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ではまず①動脈血酸素分圧(PaO2)の低下と ②動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇

を比較してみよう。

 

なぜ二酸化炭素が増えることが良くないのだろうか。

  

その理由は、酸素と二酸化炭素を監視している部位の違いにヒントがある。

 

体内の酸素濃度は血管にある受容体(頸動脈小体、大動脈小体)で監視している。一方で体内の二酸化炭素濃度は脳幹の延髄で監視している。

 

つまり酸素は末梢器官で、二酸化炭素は中枢器官で監視しているのだ。

 

言わば二酸化炭素はエリートたちが管理し、酸素はその下っ端たちが管理しているという感じだろうか。

 

中枢のエリートたちが管理するだけあって、二酸化炭素が体内に増えることの方が恐ろしいことなのだ。

 

当然、二酸化炭素が体内に増え始めれば、身体を守ろうと相応の反応が起こる。

それが呼吸苦なのだ。

 

一方で、下っ端たちが管理している体内の酸素は少し下がったくらいで容易に呼吸苦は生じない。

 

つまり、ランニング中の呼吸は二酸化炭素が上昇しない呼吸法にしなければならない。

 

そして・・・。

二酸化炭素が増えることと同じくらい呼吸苦を生じる要因がある。

④の換気パターンの乱れである。

 

換気パターンの乱れ??

と、呼吸理学療法を知らない限り、頭にはてなが浮かぶ方がほとんどだと思う。

 

試しに、面白い体験をしていただこう。これから2つのことを試してほしい。

 

まず1つ目は10秒間、息を止める。

 

そして、2つ目は

浅い呼吸を10秒続ける。呼吸回数は1秒間に3回くらいの速いペースで。

 

どちらが苦しく感じただろうか?

 

机上で考えると息を止めている方がきつく感じるような気がする。

 

ちょっとでも呼吸している方が楽なのでは??と普通思うだろう。

 

浅いと言えど、少し呼吸をしている方が、息を止める場合に比べて酸素と二酸化炭素のガス交換を行なっているはずなのに。

 

しかしやってみていかがだろう。後半の浅い呼吸を繰り返し行う方が苦しく感じるのだ。

 

 ここで皆さまにも気がついていただけただろう。換気パターンの乱れがいかに呼吸苦を引き起こすか。

 

では、どのような時に換気パターンが乱れやすいのか。

最も起こりやすいのは、ランニングの後半あたりで少し疲労が出てきた時や、走る前から緊張して不安が強い時である。 

練習ではベストタイムを出せるのに、大会になると今一つベストが出ないということはないだろうか?

 

そこには換気パターンが乱れていることが理由かもしれない。

大会でベストが出る時は、焦っている時よりも意外と冷静に落ちついている時なのだ。

 

 

ではなぜ換気パターンが崩れると呼吸苦を生じるのだろうか。

 

肋骨と肋骨の間にある肋間筋、さらにその筋肉内にある筋紡錘が換気パターンの乱れを感知し、その情報が脳の深いところにある大脳辺縁系に送られる。そこで呼吸困難として認識されるのだ。

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ではどのような呼吸パターンが良いのか、次の項で考えていこう。

 

息を吐くことを重要視すること

先ほどの、動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)の上昇が起こらないようにするためには、

息を吸うことよりも、息を吐くことに重きを置いてほしい。

 

その結果、できる限り動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)を溜めることなく呼吸苦を生じにくくなるだろう。

さらに終盤にかけて換気パターンは崩れやすい。

呼吸が浅くなると途端に換気パターンが崩れ呼吸苦を生じる。

 

何度も言うができる限り息を吐くことを意識してほしいのだ。

 

さらに息を吐くことを意識することはランニングエコノミーの向上につながる。

 

息を吐くことを意識すれば1分間当たりの換気量が増大する。

 

南カロリナ大学のSP Baileyらの研究によると、1分間でどれだけ呼吸できるか、つまり分時換気量がランニングエコノミーの向上と関連すると述べているのだ。

 

実際にデンマークのオーデンセ大学Franchらは

分時換気量の増加はランニングエコノミーの増加と中等度相関することが明らかにされている。(r=0.64 P値<0.05)

 

これまであまり息を吐くことを意識して走れていなかったランナーはぜひ、明日からの練習で意識づけをしていただきたい。

 

皆さんの、目標タイムの達成に少しでも関与できれば幸いだ。

Reference

 

1 有田秀穂:息切れのメカニズム,COPD FRONTIER 2006 vol s No 2:50−55

2 Bailey SP, Pate RR ,Feasibility of improving running economy.Sports Med. 1991 Oct; 12(4):228-36.

3 Franch J, Madsen K, Djurhuus MS, Pedersen PK. Improved running economy following intensified training correlates with reduced ventilatory demands. Med Sci Sports Exerc. 1998;30(8):1250–6.

4 MILIC-EMILI G, PETIT JM, Mechanical work of breathing during exercise in trained and untrained subjects.J Appl Physiol. 1962 Jan; 17():43-6.

 

 


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1秒でも速くなりたい人に向けたランニングエコノミー

当時私は、愛媛県の高校で800,1500mを専門としていた。仲間と同じだけの練習をしてきたのに、同じ部内に全く敵わないやつがいた。

 

練習量で負けていたとは思わない。しかし最後のスパートでいつも差をつけられてしまうのだ。当時は才能が違うのだろうと理由をつけていたが、今はそうは思わない。そこには明確な理由がある。

 

もし、これを読んでいる方に同じような境遇にいた方がいればぜひ一読いただきたい。

 

理学療法士となった自分が世界中の論文を読み漁り、ためになると思ったことだけをお伝えさせていただく。

 

これまでに、最大酸素摂取量の違いが、中長距離およびマラソンのタイムに大きく影響することが知られており、最大酸素摂取量を高めるエクササイズが多く考案されてきた。

 

最大酸素摂取量を増やせばマラソンは速くなるわけだが、そこには我々日本人にとっての障壁がある。

 

世界中の研究をみると、最大酸素摂取量には大きな人種の差があるのだ。なかでも黒色人種の選手たちは圧倒的に最大酸素摂取量は高い。

 

つまり、我々日本人には到底世界記録を更新することは到底叶わないと思われていた。

 

そんな時に注目を集めたのがランニングエコノミーという概念だ。

直訳で「走りの経済性」といい、いかに経済的に走ることができるかという考え方だ。

 

酸素を取り込む能力を最大酸素摂取量と言うならば、酸素を効率的に使う能力をランニングエコノミーという。

 

ランニングエコノミーは、ランニングパフォーマンスの30%以上影響すると報告されている。J T Daniels.A physiologist's view of running economy.1985 Jun;17(3):332-8.

 

1980年代から徐々に注目を集めてきたこの概念は我々のようなフィジカルで劣るものにとって希望とも言える。

 

そこから、だ。

日本の選手たちがメキメキと成果を出し世界に名をとどろかせるようになったのは。

 

2004年アテネオリンピックで野口みずき選手が一位となったのは衝撃的だった。

日本人も世界で輝けるのだと。

 

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https://www.joc.or.jp/games/olympic/athens/photo/photo_detail.html?vol_id=753&photo_no=photo1_1

 

中長距離・マラソンでタイムが伸び悩む方々。チームを指導するコーチたちに読んでほしいランニングエコノミーの基礎から応用、そして実践についても紹介していく。

 

ランニングエコノミーの測定方法

ランニングエコノミーの測定にはこのような呼気ガス分析装置という機械を使用している。

なぜかというと、酸素摂取量を調べるためだ。

 

酸素摂取量は1回心拍出量×心拍数×動静脈酸素格差で計算することができる。

この酸素摂取量をいかに少ない状態かつ速い速度で走れるかが鍵となる。

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http://www.unifa-med.jp/news/104.html より抜粋

 

 

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速度12km/h-16km/hで走った時のランナー別の酸素摂取量を表している。

週に1-2回走る趣味ランナーは全体的に酸素を摂取する量が多い。

一方でプロランナーは全体的に酸素を摂取している量が少ない。

 

 これは、プロランナーの方が酸素を効率的に使う能力が高いことを表している。

 

図を見比べると趣味ランナーが14km/hで走っている時と、プロランナーが16km/hで走っている時がだいたい同じ摂取量というわけだ。

 

ランニングエコノミーの種類

ランニングエコノミーはさまざまな要因が影響を及ぼすと言われている。大きく分けると4つに分けることができる。

 

本当はもっと複雑なものでシューズ1つでランニングエコノミーは変化する。

カーボンファイバー製のプレートを内蔵した厚底シューズもランニングエコノミーに影響を与える因子と言えるだろう。

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本日は大きな概要まで。

 

心臓+肺 :酸素の輸送効率がランニングエコノミーに及ぼす影響

代謝:熱調節,身体状況がランニングエコノミーに及ぼす影響

バイオメカニクス:ランニングフォーム、体格がランニングエコノミーに及ぼす影響

神経・筋:筋肉の繊維タイプ、トレーニング方法がランニングエコノミーに及ぼす影響

 

 

これら4つのランニングエコノミーの基礎から実践までをわかりやすく次回以降紹介していく。

 


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Reference

1 J T Daniels.A physiologist's view of running economy.1985 Jun;17(3):332-8.

2 Foster C, Lucia A , Running economy : the forgotten factor in elite performance.

Sports Med. 2007; 37(4-5):316-9.

3 Johnston R, Quinn T, Kertzer R, Vroman N. Strength training in female distance runners: impact on running economy. J Strength Cond Res. 1997;11(4):224–9.

4 Daniels JT, Krahenbuhl G, Foster C, Gilbert J, Daniels S. Aerobic responses of female distance runners to submaximal and maximal exercise. Ann N Y Acad Sci. 1977;301:726–33.

5 Daniels J, Daniels N, Running economy of elite male and elite female runners.Med Sci Sports Exerc. 1992 Apr; 24(4):483-9.

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ランナー必見!! ランニング大好き理学療法士が教える 必ずマラソンが速くなる筋力トレーニング【実践編 】

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マラソンのタイムを上げたければ、ランニングエコノミーについて知らなければならない。

 

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今回は前回に続く実践編!

遠心性収縮で行うハムストリングス トレーニング!

 

ハムストリングスの解剖学

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 ハムストリングスは下肢の後面に位置しており、股関節と膝関節をまたぐ2関節筋だ。

ハムストリングスの低下は膝の固定性が下がり、ムダなエネルギーを消費しなければならない。その結果ランニングエコノミーが低下し、ランニングタイムの低下を来すことを明らかにした。

 

前回の記事ではここまでの内容を話した。

本日は遠心性収縮でハムストリングスを鍛える方法を紹介していく。

 

 遠心性収縮

遠心性収縮というのは筋肉が縮もうとしながら引き伸びていることで、ジャンプをして着地するときの大腿四頭筋はまさにこの遠心性収縮である。

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マラソンタイムを上げたければ遠心性収縮でハムストリングスを鍛えなければならないのだ。

 

 絶対に気をつけることは、求心性収縮のハムストリングスのトレーニングをしてもランニングエコノミーの改善は乏しいということだ。

 

遠心性収縮と求心性収縮の違いについては前回の記事をご参照いただきたい。

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求心性収縮のハムストリングスのトレーニングはyoutubeでたくさん紹介されている。

レッグカールや、仰向けでブリッジする方法は求心性収縮に当てはまる。

もちろん筋肥大はするだろうが、マラソンでタイムを上げる方にとっては筋肥大は望ましくない。

 

 

今回は遠心性収縮でのトレーニング方法を紹介していく。

 

①ノルディックハムストリングス 

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最も代表的な遠心性収縮を用いたハムストリングスのトレーニング方法がこれだ。

 

ノルディックハムストリングスといい、世界中のトップアスリートに使用されている方法だ。

膝立ち位から足部を固定し、そのまま身体を床につけていく。

これを往復していくわけだが、この往復速度が速いほどトレーニング効果が高い。

 

世界のトップアスリートに説明するのであればここまでで十分。

 

しかしながら正直私のような趣味でランニングをしているものにとって、この運動はかなりきつい。一度やっただけで足がつりそうだ。

 

もう少し、負担の少ない方法も紹介していこう。

②うつ伏せ膝伸ばし

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重錘(1kg〜)を足に巻きうつ伏せでゆっくりと膝を伸ばす方法だ。

重錘のせいで勝手に膝が伸びてしまうところを、ゆっくりとしたスピードで制御しながら行うことができれば正しく遠心性にハムストリングスを鍛えることができている。

 

重錘の重さも軽いものか重たいもの(500g〜5kg)まで調節でき、簡単にネットで購入できるのでオススメだ。

 

実はこれらの遠心性にハムストリングスを鍛えることはランニングエコノミーの向上に加えてさらに我々にとって有益なことがある。

 

遠心性収縮を使いながらハムストリングスを鍛えると傷害リスクが5倍下がる!!

 

実は筋肉を伸ばしながら行う遠心性収縮はとてつもなく筋肉への負担が大きい。

ランニング中に起こるハムストリングスの肉離れを起こす原因のほとんどが遠心性収縮を行った時とも言われている。

 

2017年のジャマイカ代表のボルトが肉離れを起こしたこともまだ記憶には新しい。

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https://www.cnn.co.jp/showbiz/35105685.html

 

 香港中文大学のJustinらは遠心性収縮をおこなったハムストリングスの筋力が低下していると(研究では2.4Nm/kg未満としている) ハムストリングスの傷害が3.14倍増大することがわかった。

 

さらにJustinらは他にも重要な見解を述べていた。

 

「傷害予防にはハムストリングスと大腿四頭筋のバランスが重要」

 

Justinらの研究結果にて

ハムストリングス÷大腿四頭筋の筋力の比率が50.5%を下回ると、

ハムストリングスの傷害する確率は5.6倍高くなることを明らかにしたのだ。

 

さらにアメリカにあるデューク大学のアダムらは、システマッティックレビューを用いて、遠心性のハムストリングストレーニングが傷害予防への効果を検証した。

 

*システマッティックレビュー*

複数の専門家や研究者が作成者となって,一定の基準と一定の方法に基づいてとりまとめた総説のことをいい、エビデンスの高い研究である。

 

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この結果ハムストリングスを鍛えることは、ランニングエコノミーを向上するだけでなく、ランナーたちの傷害予防にも大きく寄与することを初めて示したのである。

 

 怪我予防、そしてランニングエコノミーを向上するために遠心性のハムストリングスを鍛えていこう!!


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質問などがありましたらTwitterのDMなどで受け付けております!

 Reference

1 Justin W Y Lee , Kam-Ming Mok:E ccentric hamstring strength deficit and poor hamstring-to-quadriceps ratio are risk factors for hamstring strain injury in football: A prospective study of 146 professional players. J Sci Med Sport. 2018 Aug;21(8):789-793. 

 

2 Adam P Goode  1 , Michael P Reiman:Eccentric training for prevention of hamstring injuries may depend on intervention compliance: a systematic review and meta-analysis. ports Med

. 2015 Mar;49(6):349-56. 

 

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ランナー必見!! ランニング大好き理学療法士が教える 必ずマラソンが速くなる筋力トレーニング【理論編 】

ランニングエコノミー第二弾

 


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前回の記事でランニングエコノミーという概念について話した。

 

   簡単に要約すると、最大酸素摂取量をいかに効率的に使うことが、マラソンのタイムを上げる重要なカギとなる。

 

ではランニングエコノミーを向上するにはどうするか。

本題に入ってみよう。

 

ランニングエコノミーについて知りたい方はこちらへ

www.rehabiliknock.com

 

 

今回はサンフランシスコ大学のSundbyらの報告をもとにランニング エコノミーについて考えていこう。

 

 

 ランニングエコノミーを上げるにはエキセントリックなトレーニングが重要

 

 ランニング中の筋肉の収縮の仕方は大きく2つに分けることができる。

 

求心性収縮と遠心性収縮だ。

大腿四頭筋を見ながらこの2つの収縮の違いを考えていこう。

 

①求心性収縮とは

ジャンプを行うときに大腿四頭筋の付着部同士のキョリが縮むように収縮する方法のことを求心性収縮という。


サッカーでボールを蹴るときも大腿四頭筋はこの求心性収縮が働いている。

 

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②遠心性収縮とは

一方でジャンプした後に着地するときの大腿四頭筋の付着部同士のキョリが伸びて細くなっていく収縮の仕方を遠心性収縮という。

 

実は遠心性収縮の方が求心性収縮に比べて負担が強く、トレーニングした後に筋肉痛を起こしやすい。

実際にランニングで足を床に接地するときの大腿四頭筋はこの遠心性収縮が働いている。

 

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Sundbyらは、健常成人を対象に膝関節を動かす筋肉の大腿四頭筋とハムストリングス(半腱様筋・半腱膜様筋)の最大筋力を調べた。

 

その結果、ランニングエコノミーの向上には遠心性の筋力が強く関係することを明らかにした。

 

つまり遠心性収縮でのトレーニングを行うと、ランニングエコノミーを向上してマラソンのタイムに直結することが示唆されたのだ。

 

これまではマラソンのタイムを上げるには有酸素運動でのトレーニングが主流だった。

しかしSundbyらによって筋力トレーニングを行うことがマラソンのタイムを上げるという科学的根拠を見出したのだ。

 

遠心性収縮で行うトレーニングのことをエキセントリックトレーニングという。

 

実際のメニューについては、実践編で説明していく。

 

 

さらに、Sundbyらの研究はここで止まらなかった。

 

ハムストリングスの最大筋力を大腿四頭筋の最大筋力で割った比率を算出した結果、

比率が高い人、つまりハムストリングスの筋力が高い人ほどランニングエコノミーが高いことを明らかにしたのだ。

 

しかも、それは筋肉量の厚さが大きいこと以上に重要だった。

 

アイルランドにあるリムリック大学のBeattieらによると、やみくもなフィジカルトレーニングは肥大化効果が生じ、ランニングエコノミーに悪影響を及ぼす可能性があると報告している。

 

つまり筋肉ムキムキの人よりも、筋肉が少なくてもしっかりとバランスよく筋肉を鍛えている人の方がランニングエコノミーが高いと解釈することができる。

 

確かに腑に落ちる所はある。

箱根駅伝に出場している選手や世界のトップランナーを見渡しても筋肉隆々の人はいない。

 

 

ハムストリングスを鍛えると、エネルギー消費が少なくなる

 

ではなぜハムストリングスを鍛えることがランニングエコノミーの向上に繋がるのだろうか。

その答えに、カナダにあるカルガリー大学のFollandが1つの答えを出した。

それは、

「ハムストリングスを鍛えることで膝の固定性が向上し、膝関節が安定する」

 

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走行中は地面を足につけた瞬間(踵接地)に膝関節をガクッと曲げるような外力が働いている。

 

しかし、大腿四頭筋とハムストリングがこのとき同時に収縮し膝関節が曲がらないように固定している。

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このときに、ハムストリングスが弱いと膝関節の固定性が不十分となり安定せずグラグラしてしまう。

 

 関節が安定するとムダなエネルギーを消費しないため、ランニング中のランニングエコノミーが向上するというのがFollandらの立てた仮説だ。

 

まとめ

近年ますますランニングエコノミーに関する研究は進んでいる。特に有酸素運動ではなく、無酸素運動を行うことでランニングエコノミーが向上し、結果的にランニングパフォーマンスが上がることが明らかとなったのだ。

今回紹介させていただいた報告から、エキセントリックにハムストリングスを鍛えることがマラソンのタイムに直結することが明らかとなった。

 しかし、Beattieが言っている通り、筋力トレーニングはやり方を間違えるとランナーにとってマイナスとなってしまう。ランナーの身体は繊細なのだ。単に筋力をつければ良いという問題ではない。

 

次回はエキセントリックにハムストリングスを鍛える実践編について考えていこう。

 

Reference

1 Sundby & Gorelick (2014) Sundby OH, Gorelick MLS. Relationship between functional hamstring:quadriceps ratios and running economy in highly trained and recreational female runners. Journal of Strength and Conditioning Research. 2014;28:2214–2227.

 

2 Folland et al. (2017) Folland JP, Allen SJ, Black MI, Handsaker JC, Forrester SE. Running technique is an important component of running economy and performance. Medicine and Science in Sports and Exercise. 2017;49:1412–1423.

 

3 Beattie et al. (2017) Beattie K, Carson BP, Lyons M, Rossiter A, Kenny IC. The effect of strength training on performance indicators in distance runners. Journal of Strength and Conditioning Research. 2017;31:9–23.

 

 

 

 

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ランニングで膝を痛めた人必見!!  理学療法士が勧める膝を痛めない走り方

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ランニングは世界で最もポピュラーなスポーツだ。

ランニングランナーの傷害率は高く、その大きな理由が何度も繰り返す床への衝撃である。

 

そのため、ランナーは膝損傷を起こすことが多い。

 

走るたびに膝にかかる負荷量は約300kgにもなると言われている。

 

 そこで今回はサンパウロの市立大学のMatheusらの報告をもとに膝の痛みをなくす方法を考えてみよう。

 

膝への衝撃  大きく2つの接地パターン 

 何度も繰り返す床への衝撃が膝へ負担をかける理由である。

そしてランナー達の床への衝撃の受け方は大きく2種類に分けられる。

 

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踵から足をつく後足部パターンと、指の付け根当たりで足をつく前足部パターンである。

 

 実は前足部パターンの方が後足部パターンに比べて地面への衝撃力が3倍低い。

 

 後足部パターンで走る人は前足部パターンに切り替えることで膝にかかる負担が減るのだ。

後足部パターンと前足部パターンでは、足をつく時にかかる衝撃が大きく違う。

この衝撃を膝にかかる力で考えてみよう。

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Biomechanical Differences of Foot-Strike Patterns During Running: A Systematic Review With Meta-analysisを参考に筆者作成

 

膝にかかる力は運動学的に考えるとわかりやすい。

 

まず、膝にかかる負担床半力(膝にかかる反発力)×モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)と言われている。

 

言い換えると、床半力(膝にかかる反発力)モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)

のどちらかが増えれば膝にかかる負担が増大するというわけである。

 

床半力(膝にかかる反発力)というのは、体重や走る速度によって影響する。体重が重たくなれば当然、膝にかかる負担は大きくなるし、走るスピードが早くなっても同様だ。

 

モーメントアーム(膝から反発力までの垂直距離)が長くなると膝にかかる負担が増えるというのは極端な話だとウサギ飛びがわかりやすい。

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ウサギ飛びは膝への負担が強く、近年の小学校では実施を禁止している地域もある。

昔は根性論だと、よくやったものだが。。

 

これを見ると、モーメントアームがとても長くなることがよくわかる。

 

本題に戻るが、後足部パターンと前足部パターンにも同じことが起こっている。

 

写真を見ると前足部パターンはモーメントアームが少し長くなっている。

 

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前足部パターンが膝損傷を減らす大きな理由である。

 

つまり、膝の痛みを減らせるように走るためには、前足部パターンでゆっくりとしたスピードで走ることだ。

 

実際に箱根駅伝に出場するほどのトップランナー達は膝の損傷例が少ない。

箱根駅伝を観戦した時も多くの選手が足のつき方が前足部パターンであった。

 

前足部パターンの走り方を身につけよう 

今まで後足部パターンで走っていた方がいきなり前足部パターンでの走り方をイメージするのは難しいものである。

 

見よう見まねで前足部パターンに切り替えても、つま先から足をつけてしまってはむしろ膝の負担を増やしてしまう。

 

前足部パターンは指の付け根あたり(母子きゅう)あたりで接地しなければならない。

 

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そこでハエン大学のpedroらは前足部パターンの走り方を手に入れる方法に

裸足ランニングを提唱した。

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

 

pedroらは健常成人39人を対象に裸足ランニング群20人とくつを履いてランニング群19人で12週間のトレーニングを実施した。

 

その結果、裸足トレーニングはこれまで、後足部パターンで走っていた人が前足部パターンに移行することができたと報告している。

 

近年は裸足でランニングを行うことが注目されており、

アメリカのタフツ大学のkellyらも裸足ランニングすることでランニング障害を予防できることを報告している。

 

もし裸足ランニングを挑戦する方がいるなら、ケガをしないようにアスファルトの上ではなく、芝生やランニングマシーンの上などで実践することがおすすめだ。


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Reference 

Matheus O Almeida: Biomechanical Differences of Foot-Strike Patterns During Running: A Systematic Review With Meta-analysis. 2015 Oct;45(10):738-55

 

Pedro A Latorre-Román: Effects of 12 weeks of barefoot running on foot strike patterns, inversion-eversion and foot rotation in long-distance runners. 2019 Nov;8(6):579-584.

 

Kelly Murphy:Barefoot running: does it prevent injuries? Sports Med. 2013 Nov;43(11):1131-8.