真咲輝司 Rehabiri knock

大学病院で勤務する理学療法士

食事を摂取するタイミングを変えるだけでダイエットに成功する。

 

 

 

 

・空腹になる時間タイミングをコントロールする上でClock gene(概日リズム)*体内時計が重要な役割を持っている。

 

 

普段と違う時間に食事をするとサーカディアンリズムが崩れる。

 

人間には1日の時間感覚を司る中枢が存在します。

この中枢は視交叉上核(SCN)に存在すると言われております。この中枢が機能する事で人は時間の感覚を養っているのです。これを一般的にサーカディアンリズムと言います。

 

しかし、近年この時間感覚を司っているのは視交叉上核(SCN)以外にも存在するということがわかりました。その場所は、心臓・肝臓・膵臓などの臓器です。視交叉上核を中枢の体内時計というならば、これらの臓器は末梢の体内時計と言うところでしょうか。

 

これらの末梢の体内時計と深く関わりがあるとされるのが食事のタイミングなのです。

私たちは普段1日3食摂ります。身体の中では、食事を摂取した時間からも1日の時間感覚を養っているのです。

 

しかし、この食事の摂取するタイミングが変わるということは、1日の時間感覚を狂わせてしまうことにつながるのです。

特にこの時間感覚を狂わせてしまう事で身体にどのような変化が生じるかという研究が数多く、世に出ております。2018年3月出版のjornal Metabolismではサーカディアンリズムを崩すような行動・習慣(例えば、不適切な食事・睡眠、そしてテレビや室内灯などの明かりにさらされている時間)は新陳代謝を悪くするという報告があります。

 

その結果【肥満になりやすい】ということが言われております。

 

 ・食事の時間を変えるだけで、ダイエットに成功する

J.B. Wangらは食事の摂取量のタイミングの違いについて報告しています。

 

1日に必要なカロリーの33%以上を朝食に摂る群と、夕食に摂る群で比較した際に、夕食に33%以上のカロリーを摂取する群の方が,体重が2倍以上増加したとの報告したのです。

 

1日のうち朝食の食べ方が最も重要ということがわかります。

 

Jornal Obesityでも,肥満女性に1日1400kcalまでの食事制限を12週間続けるという介入研究が行われました。A群の食事の内訳は(朝700kcal 昼500kcal 夜200kcal)でB群は反対(朝200kcal 昼500kcal 夜700kcal)です。

結果はA群のほうがB群に比べて2.5倍も体重が減少し、腹囲周径も減少することがわかりました。

1日に摂取したカロリーは同じなのに、時間を変えるだけでダイエットに効果はまるで変わるのです。さらにA群の方が空腹時のインスリン分泌量の減少を認めました。

これに対してStantonらは1つの見解を出しました。

朝食の摂取量が少ない日は、摂取量の多い日に比べて1日の総摂取量が多くなる。

ではなぜ摂取量のタイミングが変わるだけで、体重の増減に影響を及ぼすのでしょうか。その疑問にGooleyらが1つの答えを出しました。

 

・食事の時間で脂肪組織の蓄え方が変わる。

Gooleyらの研究によると、体内時計が崩れる事で、脂肪の代謝にも影響を及ぼすことが報告されております。食事のタイミングをずらすだけで、血液中の脂質(約100種類)ほどに影響を及ぼしたとのことです。

これらの血液中の脂質の変化によって今後将来的に、食事のタイミングと肥満を及ぼす原因解明につながるかもしれません。

 

 

まとめ

1日の食事するタイミングを変えないことや、朝食の摂取量を増やすことでダイエットに成功する確率は上がる可能性があります

 

参考研究

www.ncbi.nlm.nih.gov