タンパク質ダイエットの実態 海外の報告も踏まえて
三大栄養素はタンパク質・脂質・炭水化物と言われています。
しかし、ここのところダイエットとして注目されるのは、タンパク質ばかりです。有名なダイエット本などを読んでも、植物性タンパク由来のパスタ、シリアル、ヨーグルトなどなど・・
ある調査によると60%の人がダイエットのためにタンパク質をより多く摂ろうと試みているとのことです。
しかし、タンパク質というものがどんな役割を持っているのか、明らかにしている記事はあまり見当たりません。
ここでタンパク質とはどんなものなのかおさらいしてみましょう。
タンパク質とはどんなものか?
タンパク質は私たちのすべての細胞たちの源です。肌、関節、骨、筋肉などにもタンパク質から構成されています。さらに、ホルモンや免疫機能などにも関係していると言われます。
アミノ酸は全部で20種類からなり、そのうちの9種類を必須アミノ酸と言い、食べ物からしか飲み作ることができます。そして肉、海藻、豆類など、食べ物から摂取したタンパク質はアミノ酸まで分解されることで、私たちの細胞となっていくのです。
1日にどれくらいのタンパク質が必要なの?
これまで、適切な生体機能を維持するためには1日に体重1kgあたり0.8g摂取できていれば良いと言われてきました。これは、ほとんどの人が容易に達成することのできる量で、一般的に大人が消費する1日のタンパク質の平均値は90gと言われています。
しかし、この量では少ないのではないかと異を唱える方もおりました。
実際にテキサス大学医学部のDouglasらは0.8g/kg以上のタンパク質を摂取することを推奨しています。筋肉は年齢とともに、減少していきます。タンパク質の摂取が少ないとこの筋肉の減少率を加速させてしまうためです。
では1日にどの程度のタンパク質を摂取すればいいのでしょうか?また、闇雲にタンパク質を摂取すればいいと言うものでもありません。どんな種類のタンパクを摂取すればいいのか、さらに一日のうちのどのタイミングで摂るべきかも重要なところです。
→食事のタイミングについて
イリアス大学のDonald教授らは、朝ごはんに「タンパク質を多く取るべき」と説明しています。なぜなら普段私たちが寝ている時、身体の中では「タンパク質分解モード」という状態になっています。これは、年齢とともに筋肉を失っていく原因とも言われています。
Donald教授らは続けてこう述べています。
豊富なタンパク質を摂取することは
「タンパク質分解モード」による筋肉などの減少を抑えることができる。
では、どのくらいの量を摂取すれば良いのでしょうか?
Donaldが報告する正しい範囲とされるタンパク質の量は朝食時に
20〜35gを目標にすることです。
タンパク質でダイエットができるのか?
ダイエットをするためにタンパク質を摂取すると言う方は多いと思います。
管理栄養士のJamieらによると、タンパク質を摂取すると良い点は、カロリー消費を1日あたり10-20kcal程度余分に消費できるようになることだと報告しています。
一見、大して多くのカロリーを消費できないように思われかもしれませんが、1年を通して考えれば、1kgくらいのダイエットにもつながるわけです。
さらにJamieらはこのようなことも述べております。
「タンパク質の摂取は過食を防ぐことができる。」
ダイエットをする方の一番の敵とも言える食欲・・
タンパク質を摂取することで食欲も抑えることもできるのですね。
年齢とともに減少していく筋肉量を保つ働きもあるのです。筋肉は基礎代謝を上げることができるため、筋肉があるほど太りにくい身体になるということですね。
もし、毎日の食事の1食でも抜いてしまえば、タンパク質を合成する好機を逃しているとも言えるでしょう。
では、できるだけタンパク質は摂取すればいいのでは?
結論から言うと、それは間違いです。
確かに、タンパク質を摂取することでたくさんのメリットがあることをお伝えしてきました。タンパク質の摂取は筋肉などの合成を助ける働きを持っています。しかし、過剰に摂取するとタンパク質は脂肪として体内に蓄えられてしまいます。
つまり、単にタンパク質ばかりとると体重の増加につながってしまうのです。
・タンパク質ダイエットと言って食べ過ぎは太ってしますため、
どれくらいの量を摂っているか確認することが重要!